
「カナダの高校へ留学させたいけれど、公立高校と私立高校のどちらを選べばいいの?」
カナダ高校留学を検討している保護者の方から、よくいただく質問の一つです。
カナダには、現地の教育委員会が運営する公立高校と、学校独自の教育方針やカリキュラムを持つ私立高校があり、それぞれに特徴があります。
「公立の方が費用を抑えられる?」「私立の方が大学進学に有利?」「英語力がまだ十分ではなくても大丈夫?」など、学校選びの段階ではさまざまな疑問や不安が出てきます。
また、カナダ高校留学は、短期留学だけでなく、1年間の留学やカナダの高校を卒業して大学進学を目指す留学など、目的によって適した学校選びも変わります。
この記事では、カナダ高校留学の公立高校と私立高校の違いを、費用・教育環境・進学・留学期間・サポート体制などの観点から比較し、それぞれどのような生徒に向いているのかをわかりやすく解説します。
札幌でカナダ高校留学を検討している方が、お子さまに合った学校を選ぶための判断材料としてご活用ください。
カナダ高校留学で多くの留学生が選択肢として検討するのが、公立高校です。
公立高校は、「できるだけ費用を抑えながら、現地の生徒と一緒に学びたい」方に向いている選択肢です。
カナダの公立高校は、各州の教育制度に基づいて運営され、地域の教育委員会(スクールボード)が学校を管理しています。州によって教育制度や卒業要件などに違いがありますが、州のカリキュラムに沿って教育が行われています。
公立高校を選ぶ主なメリットは、次の通りです。
・私立高校と比較して学費を抑えやすい
・現地のカナダ人を含むさまざまな生徒と学べる
・州のカリキュラムに基づいた教育を受けられる
・留学生向けのESL(英語サポート)を用意している学校がある
・カナダの高校卒業や大学進学につながる単位を取得できる
特に、現地の生徒と同じ学校生活を送りながら英語力を伸ばしたいという方にとって、公立高校は魅力的な選択肢です。
また、教育委員会によっては留学生向けのカウンセラーやスタッフが配置されており、履修科目の選択や学校生活、進路などについて相談できる体制が整えられています。
ただし、留学生向けのサポート内容は教育委員会や学校によって異なるため、学校選びの際には具体的なサポート体制を確認することが大切です。
例えば、日本の中学校を卒業してカナダの公立高校へ進学し、最初はESLなどの英語サポートを受けながら学習。その後、英語力や学習状況に応じて通常の授業へ移行し、カナダの高校卒業後に大学進学を目指すという進路もあります。
「費用」「現地の教育環境」「大学進学」という3つのバランスを考えながら高校留学をしたい方にとって、公立高校は有力な選択肢の一つです。
一方で、公立高校にも知っておきたい注意点があります。
特に重要なのが、希望する高校を必ず自由に選べるとは限らないという点です。
カナダの公立高校へ留学する場合、教育委員会を通して出願するケースが一般的です。教育委員会によっては学校を指定して出願できる場合もありますが、学区や学校の受け入れ状況などによって、希望通りにならないこともあります。
公立高校の主な注意点は次の通りです。
・学校を完全に自由選択できない場合がある
・留学生が多い地域では日本人留学生が多くなることもある
・学校によって学習環境や選択できる科目が異なる
・私立高校と比較するとサポート内容が異なる場合がある
・寮を持たない学校が多く、ホームステイなどの滞在が一般的
例えば、バンクーバーやトロントなど留学生に人気の都市では、地域や学校によって日本人を含む留学生が多い場合があります。
そのため、「カナダに行けば必ず英語環境になる」と考えるのではなく、どの地域・どの学区・どの学校を選ぶのかまで考えることが大切です。
また、公立高校では、日本の高校と比べて生徒自身が授業や科目、進路について考えて行動する場面も多くあります。
そのため、「先生がすべて面倒を見てくれる環境がいい」というタイプよりも、「自分から先生に質問したり、必要なサポートを受けたりしながら行動できる」という生徒の方が、公立高校の環境に適応しやすい傾向があります。
一方で、現地の生徒と一緒に授業を受けたい、自由度の高い環境で成長したいという方にとっては、こうした環境が大きなメリットになることもあります。

Photo: Hellowiki61196 / CC BY-SA 4.0
私立高校は、「大学進学を重視したい」「少人数制や手厚いサポートを受けたい」「学校独自の教育方針を重視したい」という家庭から選ばれることがあります。
カナダの私立高校は、州の教育制度や認可のもとで運営されながら、学校ごとに独自の教育方針やカリキュラムを持っている場合があります。
そのため、私立高校と一口に言っても、大学進学に力を入れている学校、特定分野の教育に特色を持つ学校、寮生活を提供するボーディングスクールなど、さまざまなタイプがあります。
私立高校の主なメリットは次の通りです。
・少人数制の学校では先生との距離が近い
・大学進学に向けたカウンセリングを受けやすい
・学校独自の特色あるプログラムを選べる
・留学生向けのサポートが充実している学校がある
・希望する学校を選んで出願できる場合が多い
特に大学進学を目指す場合、進路指導や大学出願のサポート体制は学校選びの重要なポイントになります。
私立高校の中には、進学カウンセラーを配置し、履修科目の選択から大学進学までサポートしている学校もあります。
また、IB(国際バカロレア)など、特定のカリキュラムを提供している学校もあります。
ただし、「私立だから大学進学に有利」と一概には言えません。
大学進学では、学校の種類だけではなく、本人の成績、取得単位、履修科目、英語力、志望大学など、さまざまな要素が関係します。
そのため、「大学進学を目指しているから私立」という単純な選び方ではなく、志望する進路に合った教育環境かどうかを確認することが重要です。
私立高校を検討する際に、まず考えておきたいのが費用です。
一般的に私立高校は、公立高校より学費が高くなる傾向があります。ただし、学校の種類や立地、プログラム、滞在方法などによって費用は大きく異なります。
そのため、「私立は公立の1.5~2倍」と一律に考えるのではなく、学校ごとの学費や滞在費、その他の費用を確認することが大切です。
また、私立高校は学校ごとの特色が大きいため、学校選びも重要になります。
主な注意点は次の通りです。
・公立高校より費用が高くなる傾向がある
・学校によって教育方針やカリキュラムが大きく異なる
・入学条件として英語力や成績が求められる学校もある
・大学進学実績だけで学校を判断しないことが重要
例えば、大学進学を重視する学校であっても、お子さまの現在の英語力や学力、性格に合っていなければ、必ずしも良い選択とは限りません。
「大学進学実績が高いから」という理由だけで決めるのではなく、学校の雰囲気、授業内容、サポート体制、必要な英語力、費用などを総合的に比較しましょう。
カナダ高校留学では、公立・私立という学校区分だけでなく、IBプログラムやボーディングスクールという選択肢もあります。
IB(International Baccalaureate)は、世界各国の学校で導入されている国際的な教育プログラムです。
探究型の学習などを通して、知識だけではなく、考える力や課題を発見する力を身につけることを重視しています。
カナダでも公立・私立を問わずIBプログラムを導入している学校があります。
ただし、IBを選択すれば必ず海外大学への進学が有利になるというわけではありません。志望大学や将来の進路、本人の学習スタイルなどを踏まえて検討することが重要です。
ボーディングスクールは、学校に寮があり、学習と生活の両方を学校の環境で行うスタイルの学校です。
授業だけでなく、課外活動やスポーツ、寮での生活などを通して、英語力や自主性を伸ばせる環境が特徴です。
一方で、公立高校や一般的な私立高校と比べて費用が高くなることが多いため、教育内容だけでなく予算面も含めて検討する必要があります。

Photo: Shixart1985 / CC BY 2.0
公立高校と私立高校のどちらが優れているということではありません。
大切なのは、「お子さまがカナダ高校留学で何を実現したいのか」から逆算して学校を選ぶことです。
例えば、以下のような考え方ができます。
| 希望・目的 | 向いている選択肢 |
|---|---|
| 費用をできるだけ抑えたい | 公立高校 |
| 現地の生徒と一緒に学びたい | 公立高校 |
| 多様な学校から選びたい | 公立・私立 |
| 大学進学に向けたサポートを重視したい | 私立高校など |
| 特定の教育プログラムを選びたい | 私立・IBなど |
| 寮生活をしたい | ボーディングスクールなど |
| 自主性を身につけたい | 公立・私立どちらも可能 |
もちろん、これはあくまで目安です。
実際の学校選びでは、留学する時期、期間、英語力、成績、予算、性格、希望する地域、卒業後の進路などを総合的に考える必要があります。
また、「最初は公立高校に留学して、その後に私立高校へ移る」「私立高校から公立高校へ転校する」といった選択肢が取れる場合もあります。
だからこそ、最初から「公立」「私立」のどちらかに決めるのではなく、お子さまに合った留学先を比較しながら選ぶことが大切です。
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執筆・監修:東出 将範(北海道留学センター 代表)